4日目のメインは、天津商業大学の構内にある「裏千家茶道短期大学」の訪問。母が茶道・裏千家の茶名を持っている関係で、せっかく天津を訪れるなら…ということで決めた行程だ。
学生だけでなく、日本人スタッフの皆さんも敷地内で寮生活を送っているという。朝晩の食事付きだそうだが、自炊出来るスペースもあり、自分達で日本食を作ったりすることもあるのだとか…。
翌朝にリバークルーズを予定していたので、船着き場で出航時間を確認。平日と休日のダイヤがごちゃごちゃでわかりにくかったが、午前中に3便あることは確実のようである。明日も晴れそうだ。
次回に続く。
裏千家茶道短期大学の設置は、裏千家の前家元「千 玄室氏」が1979年に親善文化使節として中国を訪れ、裏千家と中国の文化交流の礎を築いたことに始まる。
裏千家の積極的な文化交流の積み重ねが、中国における「茶道」を通じた日本文化研究のための大学設置を求める声へと結びつき、1994年9月に「裏千家茶道短期大学」は開学したのだ。
この日は大学が休みだったのだが、わざわざ事務長の女性と講師の方がホテルまで車で迎えに来て下さった上、大学構内と茶道大学の館内を案内して下さった。心より感謝申し上げたい。
大学専属の車で「古文化街」へ。茶道で使う「小帛紗(こぶくさ)」を作らせている生地店まで連れてきて下さったのだ。日本なら1枚数千円もする「小帛紗」を破格の値段でご紹介頂いたという訳だ。
天津に来る人は必ず訪れると言っても過言ではない「古文化街」。天津の街はここから始まったとも言われ、清の時代の建物を再現したその街並みは、重厚感のある中国独特の風情を醸している。
街の中の建物はみな、歴史や神話、人物、花鳥などを題材とした、透かし彫りや浮き彫りの多彩な図柄で装飾されている。沿道には、伝統工芸品や骨董品、土産物が所狭しと並べられていた。
昼食は古文化街の中にある屋台で。注文はメモ書き。日本でもおなじみのメニューをそれらしく漢字で記入してみた。値段は書いてなかったが、ビールは1本6~7元(78~91円)程度と思われる。
ビール4本と麻婆豆腐、麻婆茄子、青椒肉絲、炒飯、他2品を合わせた会計は64元(832円)というのだからビックリだ。4日目にして、最も味が良かったのがここ…というのは何とも皮肉な話である。
古文化街をたっぷり満喫した我々は、ひとまずホテルへ帰還。お土産や荷物の整理をして、夕方まで少し昼寝をすることに…。もったいない気もするが、旅の後半に備えて少し休むことも大切だ。
2時間ほど昼寝をして、外に出たのは7時くらいだっただろうか。ホテル前にそびえる観覧車。夜になるとライトアップされてとてもきれいだ。川沿いに栄えた街らしく清々しい風が吹き渡っている。
川辺では多くの行商人たちが店を構える。ぬいぐるみや置物に直接輪を投げてゲットするというおなじみの出店。カップルや親子連れなど、連休の最終日を惜しんでたくさんの市民が集まっていた。
ホテルへ帰る途中、既に閉店したショッピングセンターの入口に人だかりが…。近づいてみると、どうやら即興のコンサートが始まるらしい。中国の労働歌のような曲が歌われていた。
「東大門服飾街」とある。東大門と言えば、韓国の有名な市場の名前。どうやら韓国の服や雑貨を扱う総合市場らしい。中国でも韓国商品は人気があるようで、街中でもハングル文字をよく見かける。次回に続く。