2015年4月9日

空母のような艦船?

昨年11月以来の「YOKOSUKA軍港クルーズ」へ。3月25日に就役したばかりの海上自衛隊最大の護衛艦『いずも』が停泊していた。「空母(航空母艦)ではないのか?」と騒がれている話題の艦船である。『ひゅうが』が舞鶴に転属されるかわりに、この新造船『いずも』が横須賀に配属となった。

艦首から艦尾まで貫く甲板を備えたヘリコプター搭載型の護衛艦で、ヘリ5機が同時発着できる他、陸上自衛隊が導入する新型輸送機オスプレイの搭載も可能だ。甲板が平らな外観は他国が所有する空母と全く同じだ。


先日、安倍総理が自衛隊を「我が軍」と発言して批判されたが、外国から見れば「自衛隊」は紛れもない「軍隊」であり、当然この『いずも』も空母と捉えられているはず。戦後70年が経ち、名称の呼び換えや解釈の変更によって乗り切れなくなってきている感は否めない。

いま日本はあの大戦の総括を国家の手で行わなければならない時期にきている。戦争を美化したものであってはならないが、単に中国や韓国への配慮を優先してはならない。あくまでその功罪を自ら明確にさせることが重要だ。

「憲法改正」や「自衛隊を国防軍に」といった道筋はそうした態度の先にあると自覚すべき。不戦の誓いを改めて世界に発信した上で、あくまで自衛のための軍隊に昇格させようというのなら、納得する国民も増えてくる可能性はある。


今のままでは「戦争に突き進んでいる」と言われても仕方がない。憲法解釈の変更で自衛隊の運用方法を変えようなどという姑息な手段は使わず、真っ向から憲法改正を訴えればいいのである。最終的な判断は主権者たる我々国民一人一人(戦前の主権は天皇)がするのだから。

天皇・皇后両陛下がこのタイミングで慰霊のためパラオを訪問された意義を今一度冷静に慮って(おもんばかって)みようではないか。政府には戦後70年にあたり、是非とも世界に誇れるしっかりとした談話を出してもらいたいものだ。