2013年12月6日

ひみつの安倍ちゃん

「特定秘密保護法案」が与党の賛成多数で可決・成立した。ちなみに、皆さんはこの法案についてどこまで理解されているだろうか。おそらく、国民の大多数は基本的な部分すら把握できていない可能性がある。法の中身は各自でお調べ頂くとして、今回は賛否に関してではなく、個人的な所見を述べさせて頂く。

過去世界のどの政権を見ても、度合に差はあるにせよ、政権にとって都合の悪いことを民に明かさないのは常である。どこまで明かすのかの判断もその政権のサジ加減一つだ。今回はそれをジャンルを絞って、堂々と隠しますよ…と宣言しただけのこと。秘密を暴こうとする者に罰則が設けられたことも、法の特性を考えれば驚きはさほど感じない。


安倍政権が法案の成立を急いだ背景には、同盟国間で共有する機密の保全を求めるアメリカ政府の意向があるとも言われている。特に、政権発足間もない今年1月のアルジェリア人質事件で、在留邦人の安全確保に米国の情報が不可欠であることを痛感し、法制化に前のめりとなったとも…。2010年の中国漁船激突事件(映像流出事件含む)発生後の民主党政権下で法整備が検討されていたことも下地となっている。

国民の「知る権利」が侵される…と声高に反対を唱える傾向が見られるが、戦時中のような情報統制がまかり通る世の中でないことは一目瞭然。過剰に煽り立てるのもどうかと思う。何より、この法案は国民が多数を与えた政権が熟慮のうえ(?)通した法案である。気にくわなければ次の選挙でNOの意思表示をすればいいだけの話しだ。


様々な世論調査を見ても、法の必要性を感じている人が多く、根底を否定している人は意外に少ない。ただ、今回一つだけ看過ならないのは、国民がある程度必要と考えている法案をここまで拙速に成立させてしまったこと。これだけはやはり与党の勇み足と言わざるを得ない。

いずれにせよ、我々は「コメンテイター」や「にわか論者」、「偏った意見のみを論じる学者」の言うことを鵜呑みにしてはならない。100%の正解などこの世に存在しないのだ。他者を評価する時とて同じこと。許せないことがあったからと言って、全てを否定していたらコミュニケーションは成り立たない。ネットやメディアの発信する一方の意見(賛成or反対)のみを支持するのではなく、5:5、4:6、7:3といったバランス感覚を持って自論を作り上げるべきだと私は思う。