2014年2月24日

34年の時を経て

ソチオリンピックの閉会式で熱戦に終わりを告げたのは、大会マスコットの「ホッキョクグマ」だった。このホッキョクグマは1980年のモスクワオリンピックのマスコットであったクマの「ミーシャ」の孫なのだという。スクリーンにモスクワ五輪の閉会式でミーシャの人形が空に飛び立つ光景が映し出されると、寂しげな表情を見せたホッキョクグマが目の前の炎を吹き消す。直後、左目から青色の涙が一粒…。


東西冷戦下、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議するアメリカや日本など西側諸国がボイコットしたモスクワ五輪の閉会式では、観客席に人文字で描かれたミーシャが涙を流すという演出が話題を呼んだ。

34年の時を経て、ロシアで2度目の開催となったソチオリンピックは心配されたテロなどもなく、穏やかに終幕を迎えた。ホッキョクグマが流した涙は、閉幕の寂しさを表した涙であると同時に、無事大会を終えられたという安堵の涙だったのかもしれない。さようなら、ソチ!そして、ありがとう!次回の冬季五輪は韓国の「平昌(ピョンチャン)」で開催される。