2012年8月2日

都電~60年の生涯

昭和46年、東京都交通局刊行の「都電~60年の生涯」をゲットした。都電の繁栄と衰退を膨大な量の写真で紹介した見応えのある一冊。先日、ネットオークションで保存状態のいいものを見つけ、ようやく手に入れたものだ。


都電の発祥は明治15年に開業した鉄道馬車。都電は「荒川線」のみを残し、70年代中期までにほぼ全ての路線が姿を消した。関東大震災や戦中・戦後の悲惨な写真、焼野原をいち早く復興に向け走り出す都電を見ると、その時代を生きた人達の息吹までもが聞こえてくるようである。高度成長期、急激に様変わりしていく東京の街並みも目をひく。


都電そのものに関してはもちろん、時代とともに変遷する路線図や乗車券の写真、花電車、レールの種類、車両紹介、都電に関する歌の歌詞など内容も豊富だ。さらに「東京電車唱歌」のソノシート(朝日ソノラマ製)も封入。都電に関する書籍でこれほど写真の充実した物はない。まさに永久保存版と言える一冊である。